今津のオヤジのつぶやき

温暖化地獄

2010年07月24日

これはただ事ではない!
「“酷暑列島”多治見で39.4度、熱中症死・30年で6倍、年400人、高齢者多く」(23日)
「全国140カ所で猛暑日 最高気温が前日に39度を超えた岐阜県多治見市はこの日も38.9度と全国最高を記録。921カ所ある気象庁の観測点のうち140カ所で35度以上の猛暑日となった。」(24日)と、連日“酷暑列島”の様子を伝える新聞報道。エアコンが売れ、電力の需要もうなぎ登り、連日最高値を更新中とのこと、これはただ事ではない!
凄まじい集中豪雨で各地に洪水や、「深層崩壊」と呼ばれる土砂災害をもたらし、多くの犠牲者を出した梅雨前線が収まった思いきや、息をつく間もなく、この猛烈な暑さ、集中豪雨もそうであったが、この猛暑についても、気象庁の発表や被災地の報告はいずれも、観測史上最高値、あるいは、予想をはるかに超える事態とのことだ。
温暖化による異常気象は日本だけではない。世界中で起こっている。猛暑のロシアで西部、シベリアを中心に2000人が死亡、豪雨の中国南部で洪水による死者が700人超、一方、冬の南半球、南米で寒波が襲来200人以上が死亡したと伝えられる。これは最早ただ事ではない!と多くの人が感じている筈だ。
ところが、こうした異常な雨の降り方や、猛暑と地球温暖化との関連については、極めて曖昧な報道をしていると言わざるを得ない。真実を伝えていないとさえ思える。
降雨量について、ひと昔前(2,30年位前かな)1 時間に30mmの雨と言えば「バケツをひっくり返したような大雨」という表現を使っていた。2000年に入ってから、世界的に雨の降り方が劇的に変わりつつあり、世界中で洪水が頻発、日本でも、1 時間に70~100mmを超える猛烈な雨が降りはじめ、ここ数年で頻発するようになってきている。1 時間に70~100mmの雨とは、まさに、洪水のような雨で、下水は一気に溢れ、道路は川の様相で、山に降った雨は、土石流となって河川に雪崩込み、ほんの僅かな時間に洪水を引き起こすというそんな猛烈な雨のことだ。
猛烈な暑さについては、今まさに連日の猛暑をみれば明らかだ、本日24日、夕刻のニュースによると、35度を超える猛暑となった地点は154カ所、熱中症と見られる症状で病院に搬送された人は全国で、240人、12人が死亡したとのこと。
地球温暖化は確実に加速している。猛烈な雨、猛烈な暑さの原因は地球温暖化に伴う気候変動であり、疑う余地などないというのが、今や国連をはじめ、国連の機関IPCCに参加する科学者、そして、世界各国の共通の認識と言って過言ではないのである。この記事のタイトル“温暖化地獄”は、東大産業技術研究所教授の山本良一氏の著書「温暖化地獄」だ。山本教授は、日本における地球温暖化問題の第一人者と言っていい科学者で、氏によると「地球温暖化はいまや暴走の兆しを見せ始め、わたしたちはすでに、地球温暖化地獄の一丁目に入り込んでしまっている」「地球温暖化の進行は、“温暖化”という言葉のソフトな響きとは裏腹に、人類にとっても他の生物種にとっても地獄の様相をもたらしはじめている」との極めて悲観的見解を述べているが、今、私たちが目の当たりにしている光景が地獄の一丁目の様相なのだ。また、山本教授は、「温暖化そのものは最早止められないが、2℃で食い止めなければ、地球規模で壊滅的な状況が現れはじめる、時間はほとんどない」と指摘し、世界が一致して温暖化防止の行動を起こすことを呼びかけている。
決してよそ事ではない。国も地方自治体も企業も個人も一致して行動しなければ、取り返しのつかない事態を招くことになるということだと思う。
そして、まだ、温暖化をよそ事と考えている方たちも、ひとたび災害に見舞われたとき、自らの身と家族の身を守るのは、最終的には自分自身であることを肝に銘じておくべきではないかと思う。


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Posted by 陽ちゃん at 21:58│Comments(0)環境問題
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